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残滓(ざんし)

残滓(ざんし)
前田 茂則
『ユニセフカレンダー』に掲載されてある1枚の写真-1億9,500万人の乳幼児が発育疎外に苦しんでいるという添え書きあり-を凝視していた。胃部に奇妙な緊張と固く閉ざしていく体感が生じた。
その後、4月14日の熊本大地震直後、交通網が混乱し被災地へ「おにぎりが届かない」という記事に接した時、上記同様の体感を味わった。さらに1月後、「子供食堂」(食事難渋したり、孤食を強いられている子どもを支援する活動)の報道に触れた時、三度同一体経験をした。
このような奇異な体験をした後のある日、帰宅途中で激しい空白感、むしろ飢餓感がフイットする事態に陥り、ふらつきながらようやくのこと家へ辿り着くことができた。直ちに食卓へ向ったのは言うまでもない。食後、若干の燗酒(かんしゅ)も効いて満足感、充足感に浸っていた。その瞬間、小生が9歳の時-昭和20年9月頃-激しい空腹感に襲われ、窮余の一策で蛇口から胃袋へ水をしこたま流し込み疑似満腹感でひもじさを代替したこと、歩く度にびちゃびちゃ、ボコボコと胃の中で奇妙な音が出ていた体験を想起した。
3回続けて味わった奇妙な体験は、少年時代のそれであったことに気づき、あらためて「食い物の恨みは恐しい」ことを実感した。
空腹が生じると、激しさが募っており、この症状は長く背景として沈潜した残滓が、ようやくチャンスを得て浮上することができるようになってきていることの証しであろう。ことに、気づかれないまま身体内部の残滓を払拭するにはながい時が必要なのだ、痛感させられている。「あせらず、休まず、諦めず」を大切に自己に向き合う作業を継続したい。
自己のなかに生じる小さい現象を疎かにすることなく、その現象を直視しかつ対峙していこう。
平成26年5月吉日
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Author:gnj
こんにちは、ゲシュタルト療法のワークショップを開催しているNPO法人ゲシュタルトネットワークジャパンです。
ゲシュタルト療法の「今-ここ」の「気づき」は、いきいきと自分らしく生きるエネルギーを活性させます。ひとりひとり違うonly oneの大切な存在である互いを認め合いながら、家庭で、学校で、職場で、地域で、世界中で、つながりあっていく社会を実現したいと思っています。

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